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仕事への影響

情シスの問い合わせ対応、zoobaの連携SaaS拡充で棚卸し業務はどう変わるか

入退社のたびにアカウント発行や停止に追われる情シス担当者は少なくありません。連携できるSaaSの範囲が広がれば、その負担はどこまで軽くなるのでしょうか。

何が起きたか

株式会社zoobaは、情シスAI「zooba」のSaaS・IT資産管理機能における連携SaaSを、従来の約120件から220件超へ拡充したと発表しました(2026年9月時点)[1]。

今回追加した100件超は、開発・インフラで40件以上、人事・労務・バックオフィスで15件以上、プロジェクト管理・データ分析・その他業務支援で15件以上、ID管理・セキュリティで10件以上、コミュニケーション・グループウェアで10件以上、営業・マーケティングで10件以上という内訳です[1]。

zoobaは、社内から寄せられる問い合わせに回答するだけでなく、あらかじめ設計されたルールと承認プロセスに沿って、アカウントの発行・停止や権限変更といったSaaS上の処理を実行し、証跡を残すAIです[1]。今回の連携拡大は、この処理の前提となるアカウント・ライセンス情報を扱える範囲を広げるものだといいます[1]。

連携拡大により、入社時の発行や異動に伴う権限変更、退職時の停止といった対象SaaSが増え、管理台帳の外にあるSaaSが減るとされています[1]。余っているライセンスの回収も進めやすくなる見込みだと説明されています[1]。

背景・解説

情シスAIとは、情報システム部門に寄せられる問い合わせや依頼に対し、回答から実際の処理実行までを担うソフトウエアを指します。人手で行っていたアカウント発行や権限変更を、承認フローに沿って自動で処理し、記録まで残す点が特徴です。

背景には、企業が利用するSaaSの数が増え続ける一方で、サービスごとに分散したアカウント情報の確認、入退社に伴う発行・停止、利用状況の把握といった管理業務が積み上がっている実情があります[1]。管理対象が増えるほど、台帳の更新漏れや退職者アカウントの停止漏れ、使われていないライセンスの見落としが起こりやすくなるといいます[1]。

zoobaは、SaaSやデバイスの情報を従業員情報と紐づけて一元管理できる環境を提供することで、こうした管理負荷の軽減を図っているとされています[1]。今回の連携拡充は、利用企業からの要望をもとに、扱える情報の範囲を広げる取り組みだと位置づけられています[1]。

仕事や業務への影響 — AI Topicaの見方

情シス担当者が数人しかいない会社ほど、この連携拡充の効果は大きくなります。例えば、従業員300人規模の製造業で情シス担当が2人という会社なら、開発ツールから人事労務システムまで20種類前後のSaaSを使い分けているケースは珍しくありません。これまでサービスごとに個別確認していたアカウント状況を、zooba上でまとめて把握できる範囲が広がれば、月次の棚卸し作業にかかる時間は目に見えて減ります。

特に効果が出やすいのは、退職者アカウントの停止漏れという典型的なリスクへの対応です。退職者が出るたびに10件、20件のSaaSを一つずつ確認して停止する作業は、担当者の記憶と手作業に依存しがちでした。連携対象が220件超に広がったことで、この確認と実行の対象範囲が拡大し、抜け漏れに気づきやすくなります。

一方で、全社のSaaS利用状況を完全に自動で把握できるわけではありません。連携していないSaaSや、従業員が個人契約で使い始めたシャドーITについては、依然として人の目による棚卸しが必要です。情シス担当者は、連携範囲が広がったことを前提に、残りの「手作業でしか把握できない部分」に人的リソースを集中させるべきです。

不確かな点・注意

取得できる情報や実行可能な操作は、連携するアプリや連携方式によって異なると説明されています[1]。すべてのSaaSで同じ深さの管理ができるわけではない点に注意が必要です。

出典には、具体的な導入企業数や、業務時間の削減量、利用料金といった数値は示されていません。効果の大きさは、各社が実際に利用しているSaaSの種類や情シス部門の体制によって変わるとみるべきです。

また、今回発表されたのは連携SaaSの件数拡充であり、AIヘルプデスクとしての回答精度や判断の正確性そのものが向上したという情報は含まれていません。導入を検討する場合は、自社で実際に使っているSaaSが連携対象に含まれているかどうかを個別に確認する必要があります。

出典

  1. 情シスAI「zooba」、連携SaaSを従来比約2倍の220件以上へ拡充

AI Topica 編集部