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YouTube、AIエージェントが動画のサムネ・タイトルを自動生成する新機能を発表

動画のサムネイルやタイトルづくりに、毎回頭を悩ませていないでしょうか。YouTubeが発表した新しいAIツール群は、その作業の多くをエージェントに任せられる内容です。企業の広報担当やチャンネル運用者にとって、日々の作業時間の使い方が変わる発表になります。

何が起きたか

YouTubeは9月23日、クリエイター向けイベント「Made on YouTube」で、AIを使った創作支援ツール群の拡充を発表しました[1]。2025年に公開したサムネイルのA/Bテストや、動画の実績を尋ねるチャットボットに加え、より複雑な作業を担うAI機能が加わります[1]

目玉は、クリエイターのチャンネルを裏側で常時最適化するAIエージェントです。過去の動画を監視し、ニュースと関連したり再び話題になったりしている動画を見つけると、サムネイルやタイトルの変更を提案します[1]。エージェントはアップロードされた動画の内容をもとにサムネイルやタイトルをまるごと生成でき、クリエイターが自作したサムネイルへのフィードバックも求められます[1]。チャンネルの視聴者データを分析し、スポンサー向けの企画書を自動で作成する機能も備えています[1]

動画そのものを複数パターン試す機能も追加されます。冒頭や構成を変えた3種類の動画を少人数の視聴者に配信し、最も視聴時間が伸びたものを本採用する仕組みで、7日たっても選ばれなければYouTube側が自動的に一つを確定します[1]。担当者は、3パターンの差は「劇的に異なる」ものにはしないと説明しています[1]

視聴者向けにも変更が加わります。文章で希望を伝えるだけでホーム画面に専用タブを作れる「カスタムフィード」機能が発表され、米国のウェブ・モバイル・テレビ向けに今後展開される予定です[2][3]。裏側ではGoogleのGemini AIモデルが使われています[3]。動画の内容についてチャットで質問できる「Ask YouTube」や、音楽アプリ内でプレイリストを作れる「Ask Music」も、より目立つ場所に配置されます[2]

背景・解説

Made on YouTubeは、YouTubeが毎年開催するクリエイター向けの発表イベントです[1]。2025年の初回開催時に、ダッシュボード上でサムネイルのA/Bテストや、動画の再生実績を尋ねるチャットボットなど、AIを使った創作支援ツール群が初めて公開されました[1]

「AIエージェント」とは、人間が都度指示しなくても、あらかじめ設定した目的に沿って自律的に作業を続けるプログラムを指す言葉です。今回発表されたエージェントは、クリエイターが操作しなくても裏側で動画一覧を巡回し、話題性の変化をとらえてサムネイルやタイトルの修正案を出す点が特徴です[1]

一方、視聴者側のカスタムフィードは、利用者が言葉で希望を伝えて自分専用の表示順を作る仕組みで、BlueskyやThreads、Instagram、X、Spotifyなど他のSNSがすでに導入している「自分でアルゴリズムを組む」発想に近い機能だとTechCrunchは伝えています[3]。YouTubeの担当者は、動画数が200億本を超える中で目当ての動画にたどり着きやすくする狙いがあると説明しています[3]

仕事や業務への影響 — AI Topicaの見方

チャンネル運用でサムネイルやタイトルの微調整に時間を取られてきた担当者は、その作業の多くをAIエージェントに任せられるようになります。YouTubeの担当者は、AIツールの導入で生まれた時間は「創造性に戻る」と説明しており、効果はまず作業時間の削減として現れます[1]

例えば、社員5人ほどの動画制作会社で、広報担当が一人でYouTubeチャンネルの更新と過去動画の見直しを兼務している場合を考えてみます。過去にアップロードした数十本の動画を毎回手作業でチェックし直す余裕はありません。AIエージェントが話題性の高まった旧作を自動で拾い出し、サムネイルとタイトルの修正案まで提示してくれれば、担当者は候補を採用するかどうか判断するだけで済みます。スポンサー向けの企画書作成も、視聴者データを自動でまとめる機能を使えば、一から集計する手間が減ります[1]

3パターンの動画を自動で比較する機能も、少人数のチームには使い勝手の良い仕組みです。企画会議で「どの構成が良いか」を議論する代わりに、実際の視聴者データで判断できるため、経験の浅い担当者でも成果を出しやすくなります[1]。ただし、動画の企画そのものや台本作成、撮影までAIに委ねてしまうと、視聴者から「クリエイター本人の仕事ではない」と受け止められる恐れがあります。YouTube側も、効率化のためのAI活用と、AIが実質的に創作を代行する状態とは違うと線引きをしています[1]

視聴者向けのカスタムフィードは、企業の広報担当者が自社チャンネルの見え方を把握する上でも参考になります。担当者が実際に「業界ニュースをまとめたフィード」のような形を作ってみれば、視聴者がどのような切り口の動画を求めているかのヒントが得られます。

不確かな点・注意

YouTubeは、AIツールの導入によって再生回数やエンゲージメントが実際に向上したかどうかを示すデータは公開していません[1]。担当者が明言したのは作業時間の削減効果にとどまり、成果への直接的な影響は明らかになっていない状態です[1]

カスタムフィードの提供開始時期は、まず米国のウェブ・モバイル・テレビ向けからで、日本を含む他地域への展開時期は示されていません[2][3]。グループチャット機能も当面は米国・英国・シンガポール・ブラジルなど一部地域に限られます[2]

AIによる創作代行がどこまで許容されるかという線引きも、YouTube側の説明の範囲にとどまっており、実際の運用でクリエイターや視聴者がどう反応するかは見えていません。

出典

  1. YouTube is building AI creator tools that do almost everything for them
  2. YouTube promises custom feeds and a lot more AI later this year
  3. YouTube will let you build your own algorithm with AI | TechCrunch

AI Topica 編集部