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スーパーホテルがAI経理ノウハウを外販、28年4月のサービス開始を目指す

人手不足で経理担当者を十分に確保できない企業は少なくありません。そこにホテル業が「自社で磨いたAI経理の仕組み」を売り物として参入しようとしています。経理を外に出す選択肢が、思わぬ業種から広がろうとしています。

何が起きたか

ビジネスホテルチェーンのスーパーホテル(大阪市西区)が、AIを活用した企業の経理代行事業に参入する方針を固めたことが分かりました。人手不足を背景に外部委託市場が伸びる中、自社で培ったAI活用のノウハウを他社向けに展開する狙いです。主なターゲットはスタートアップで、早ければ2028年4月のサービス開始を目指すとしています。

同社は事業化に先立ち、2026年8月に自社の経理部を独立させた新会社「未来オフィスサポート」を設立しました。現時点ではグループ会社全16社のうち、スーパーホテルや老人ホーム運営のスーパー・コートなど6社の経理業務を集約しており、請求書処理や経費精算といった定型作業に生成AIや自動化システムを導入していく計画です。

計画では、こうしたノウハウやAI基盤をパッケージ化し、財務基盤や経理人材が脆弱なスタートアップやベンチャー企業向けに代行サービスとして外販します。スーパーホテルの山本健策社長は取材に対し、「社内の間接部門を効率化するとともに『稼げる経理』を作る」と語り、社内DXを収益の柱とする考えを示しました。

背景・解説

BPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)とは、企業が自社の業務プロセスを外部の専門業者に委託する仕組みのことです。経理や人事、コールセンターなどの間接業務で広く使われており、自社で人材を抱えずに専門性を確保できる手段として定着してきました。

今回の動きの背景には、人手不足とDX推進という2つの流れがあります。調査会社の矢野経済研究所は、2024年度の国内BPO市場を前年度比4.0%増の5兆786億5000万円と推計し、2029年度には5兆8703億5000万円まで伸びると見込んでいます。経理担当者を自前で採用・育成しにくい企業ほど、外部に任せる選択肢の価値が高まっている状況です。

スーパーホテル自身も、まずグループ各社を実証の場としてAI活用の効率化とノウハウ蓄積を進めてきました。本業であるホテル経営とは別の分野で、社内の仕組みそのものを商品化しようとしている点が今回の特徴です。

仕事や業務への影響 — AI Topicaの見方

経理担当が数人しかいないスタートアップほど、この種のサービスの効果は大きくなります。例えば、社員20人で経理担当が1人しかいないITスタートアップなら、請求書処理や経費精算の入力作業をAIで代行してもらうことで、その1人が資金繰りや決算の判断業務に時間を使えるようになります。

一方で、経理代行サービスの導入を検討する際は、自社がどの業務まで外に出すかを先に決めておくべきです。定型的な入力作業は外部に任せても、資金調達の判断や経営者への報告は社内に残す、という線引きが曖昧なままでは導入効果が薄れます。

発注側の企業にとっては、提供元がホテル業であること自体を過度に意識する必要はありません。重要なのは、どの業務をどれだけの人数・時間で代行してもらえるかという具体的な条件です。例えば従業員50人規模の製造業で経理担当が2人の会社なら、請求書処理と経費精算をAIに任せることで、月間の作業時間を数十時間単位で減らせる余地があります。

経理代行を外販する動きがほかの業種にも広がれば、経理担当者の仕事は「入力作業をこなす人」から「数字をもとに判断する人」へと役割が移っていきます。中小企業の経営者は、人を増やす前に、どの作業を外部のAI経理サービスに任せられるかを一度棚卸ししてみるべきです。

不確かな点・注意

今回分かっているのは、スーパーホテルが経理代行事業への参入を固め、2028年4月のサービス開始を目指しているという計画段階の情報です。実際のサービス開始時期は「早ければ」という条件付きであり、確定した日程ではありません。

料金体系や具体的な対応業務の範囲、グループ外の企業への提供開始時期についても、現時点では明らかになっていません。また、AI活用による効率化の具体的な効果(削減できた時間や人員数など)も、記事中では数値として示されていない点に注意が必要です。

ホテル業という本業と異なる分野への参入であるため、既存の経理代行・BPO事業者との競合関係や、スタートアップ側の受け止め方がどうなるかも今後の情報を待つ必要があります。

出典

  1. スーパーホテルがAI経理代行に参入へ 自社ノウハウ外販、目指すは「稼げる経理」

AI Topica 編集部