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比較・活用

LFM2.5-24B-A2B登場 Gemma4・Qwen3.6より高性能、ローカルAIエージェントの使い分け

ローカル環境でAIエージェントを動かす計画がある情シス・開発担当者にとって、どのモデルを選ぶかはコストと性能の両方を左右する判断です。Liquid AIが公開した新モデルの比較データは、その選び方を考えるうえでの材料になります。

何が起きたか

AI開発企業のLiquid AIは、総パラメーター数240億・アクティブパラメーター数24億5000万のMoE(専門家混合)モデル「LFM2.5-24B-A2B」を公開しました。33兆トークンのデータで事前学習したうえで、エージェント向けの追加学習を施したモデルです[1]。

公開にあわせて、Qwen3.6-35B-A3B、Gemma-4-26B-A4B-it、Nemotron-3.5-Lightning(30B-A3B)との16種類のベンチマーク比較結果が示されました。パラメーター数で上回るこれらのモデルに対し、ツール呼び出しの正確さを測るBFCLv4やToolSandbox、エージェント自動化タスクのAutomationBenchなどで同等以上のスコアを記録しています。特にAutomationBenchでは27.69点を記録し、次点のQwen3.6-35B-A3B(8.72点)の3倍以上の差がついています[2]。

推論エンジンはllama.cpp、MLX、vLLM、SGLang、ONNXが既に対応しており、WindowsやMacなど幅広い環境で動かせます。Q4_K_M量子化版をM5 Max搭載のMacBook Proで動かした場合、毎秒184トークンのデコード速度で使用メモリは15GB、Ryzen AI Max+ 395搭載PCでも毎秒114トークンでの動作が確認されています[1]。

実機でのデモとして、オープンソースのデスクトップエージェント「Hermes Agent」上でLFM2.5-24B-A2Bを動かし、Hugging Faceで話題のAIモデルに関するブリーフィングを作成するタスクをクラウドAPIを使わずに実行する様子が公開されました[1]。

背景・解説

MoEとは、モデル内部に複数の「専門家」を持たせ、入力ごとに一部だけを呼び出すことで、総パラメーター数が大きくても計算量を抑えられる仕組みです。LFM2.5-24B-A2Bは総パラメーター数240億のうち、実際に1トークンの処理に使われるのは24億5000万のみで、この「アクティブパラメーター数」の小ささが低コストでの動作につながります。

「ローカルエージェント」とは、クラウドのAPIに依存せず、手元のPCやサーバー上でAIにツール呼び出しや多段階のタスクをこなさせる使い方を指します。LFM2.5-24B-A2BはアーキテクチャをLFM2-24B-A2Bから継承しつつ、推論前に思考過程を生成する「推論専用モデル」として設計され、OpenClawやHermes Agent、Pi、OpenCodeといったエージェント実行環境の中で強化学習を受けました。

比較対象となったベンチマークのうち、AutomationBenchやBFCLv4、ToolSandbox、LiveClaw、τ³-Bench Bankingはツール呼び出しやエージェントとしての振る舞いを測定する項目です。一方、GPQA DiamondやHLE、SWE-Bench Verified(OpenCode)、SciCodeは知識量やコーディング能力を測る項目で、これらではQwen3.6-35B-A3BやNemotron-3.5-Lightningの方が高いスコアを記録しました。Liquid AI自身も、知識が必要な処理には検索や外部データ取得と組み合わせる使い方を勧めています。

仕事や業務への影響 — AI Topicaの見方

社内にAIエージェントを導入する際は、タスクの性質でモデルを使い分けるべきです。業務システムの操作やフォーム入力、社内問い合わせ対応のように「決まった手順でツールを呼び出す」用途であれば、LFM2.5-24B-A2Bのようなツール呼び出しに強い小型モデルで十分です。

例えば、従業員80人程度の製造業で情シス担当が1人という会社が、見積書の承認フローや在庫確認を社内PCだけで自動化したい場合を考えてみます。LFM2.5-24B-A2BはM5 Max搭載のMacBook Proで毎秒184トークン、使用メモリ15GBという条件で動作するため、クラウド契約なしで既存の業務用PCに載せられます。AutomationBenchでQwen3.6-35B-A3Bの3倍以上のスコア差があることから、定型タスクの自動実行はこちらの方が安定します。

一方で、専門的な法律相談への回答精度や、システム開発の自動修正(SWE-Bench Verified)のような知識・コーディング重視の業務には、Qwen3.6-35B-A3Bのような大型モデルの方が向いています。GPQA Diamondでも74.42点対83.69点と約9点の差があり、知識の正確さが求められる場面では小型モデル単独での運用は避けるべきです。知識系の問い合わせが多い部署には、LFM2.5-24B-A2Bに検索機能を組み合わせる運用を検討する価値があります。

コスト面では、アクティブパラメーター数が24億5000万と小さいため、推論1回あたりの計算コストを抑えやすい点が実務上の利点になります。サーバー台数やGPUへの投資を抑えたい中小企業ほど、この差は導入判断に直結します。

不確かな点・注意

公開されたベンチマーク結果はLiquid AIによる自社評価であり、第三者機関による独立検証の結果は出典に示されていません。日本語環境や特定業務に特化したタスクでの性能についても、出典からは確認できません。

ライセンス条件や商用利用時の価格体系についても、出典本文には具体的な記載がありません。導入を検討する場合は、公式情報で利用条件を個別に確認する必要があります。

また、デモ動画で紹介された「Hugging Faceで話題のAIモデルについてのブリーフィング作成」というタスクは実行例の一つであり、他の業務タスクでも同等の精度が出るかどうかは明らかになっていません。

出典

  1. 「LFM2.5-24B-A2B」が登場、Gemma 4 26B-A4BやQwen3.6 35B-A3Bより高性能でローカルエージェントとして能力を発揮
  2. Run fast, private agents on-device with LFM2.5-24B-A2B

AI Topica 編集部