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生成AI炎上のレベルファイブ、TGS当日も客足は途絶えず

生成AI動画の使用でSNSが荒れた直後、当のイベントに出展したらどうなるのか。東京ゲームショウ2026に出展したレベルファイブのブースを追った現地取材の内容は、AI活用で批判を受けた企業が次に何をすべきかを考える材料になります。

何が起きたか

レベルファイブは9月10日のオンライン発表会で生成AI動画を使用し、SNS上で物議を醸しました。数日後に控えていた「東京ゲームショウ2026」(幕張メッセ)の開催を前に、事前公開したブースイメージ図にも生成AIが使われていたことが分かり、批判はさらに広がりました。日野晃博社長は15日にXで事情を説明し、来場を呼びかけていたといいます。

ITmediaの記者は会期中の9月18日、ビジネスデイ2日目の午前11時過ぎに現地を訪れました。レベルファイブのブースには「レイトン教授」シリーズのフォトスポットに加え、新作「レイトン教授と蒸気の新世界」「ホーリーホラーマンション」の試遊台、グッズ展示が並んでいました。

人出はセガやバンダイナムコエンターテインメントのブースと同程度か、やや少ない水準でした。試遊は「レイトン教授と蒸気の新世界」が突出して人気で、待ち時間は1時間前後に達していたといいます。一方、他の試遊は20~30分程度にとどまりました。ブースの展示物を見た限り、ぱっと見で生成AIと分かるようなものは見当たらなかったとしています。

背景・解説

生成AIとは、文章や画像、動画などの大量のデータを学習し、指示に応じて新たなコンテンツを自動で作り出す技術です。近年はゲーム会社の発表会用映像にも使われる例が増えていますが、制作過程が見えにくいため、ユーザーから「手抜きではないか」「クリエイターの仕事を奪うのではないか」といった批判を招きやすい面があります。

レベルファイブは9月10日の発表会での動画利用に続き、TGSのブースイメージ図にも生成AIが使われていたことが判明し、批判が重なる形になりました。日野社長は「ブースイメージ図には生成AIによるイメージが使われているが、実際の中身は設計も人間が行い、造形も丁寧に手作りしている」とXで説明しています。

東京ゲームショウを主催するコンピュータエンターテインメント協会の調査では、開発者の8割超が生成AIを利用しているという結果も出ています。ゲーム業界では効率化の手段として生成AIの活用が広がる一方、ユーザー側の受け止め方との間には隔たりが残っているのが実情です。

仕事や業務への影響 — AI Topicaの見方

生成AIの利用で炎上しても、来場者数への影響は限定的だと分かります。例えば、新商品の発表映像に生成AIの活用を検討している食品メーカーの広報担当者なら、SNSでの批判を過度に恐れて発表そのものを取りやめる必要はありません。

レベルファイブのブースの人出はセガやバンダイナムコエンターテインメントと同程度で、試遊の待ち時間も最長1時間前後にとどまりました。整理券配布が午前11時までに終了したソニー・インタラクティブエンタテインメントのブースほどの熱狂ではありませんが、閑散としていたわけでもありません。SNS上の批判と実際の現場の熱量は、必ずしも一致しないと言えます。

ブランドイメージを守るには、生成AIを使った部分と人手による部分を分けて説明する姿勢が効きます。日野社長のように、どの工程にAIを使い、どの工程を人が担ったのかを具体的に発信すれば、批判は一定程度落ち着きます。広報担当が1人しかいない中小ゲーム会社であっても、発表前にAI利用箇所を洗い出し、説明文を1本用意しておくだけで十分な対応になります。

批判の火消しに追われるより、事実関係を先回りして伝える方が来場者やユーザーの納得を得やすくなります。

不確かな点・注意

今回の現地取材はビジネスデイ2日目の一時点に限られており、一般デイの人出や反応までは分かりません。ブース内の展示物について、生成AIがどの工程まで使われたかは、日野社長の説明以上の詳細が明らかになっていない状況です。試遊の待ち時間は目視による概算であり、正確な集計データではありません。SNS上の批判がどの程度沈静化したかについても、来場者数の推移だけでは判断できない点に注意が必要です。

出典

  1. 生成AIで物議のレベルファイブ、東京ゲームショウ当日の様子は……現地を見てきた

AI Topica 編集部