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カザフスタン、NVIDIA製GPUで国家規模のAI基盤を拡大 自動運転実証も視野に

カザフスタンの国家AI基盤整備が、計画段階から実際の導入段階に進んでいます。通信最大手によるGPU大量導入や、配車アプリ企業による自動運転実証の検討は、中央アジア市場で事業機会を探る日本企業にとっても無視できない動きです。

何が起きたか

カザフスタンの通信最大手カザフテレコムは、首都アスタナと最大都市アルマトイに、NVIDIA H200 GPUを400基、NVIDIA B300 GPUを480基、すでに導入しています。同社は来年、新設予定の「データセンター・バレー」にGPUを1,000基超、さらに東部エキバストゥズ地域にNVIDIAの次世代GPU「Vera Rubin」を1,000基超、それぞれ追加する計画を明らかにしました。

AIを前提に事業を組み立てる国内企業も、計算資源の拡大に動いています。配車サービス大手のinDriveは、自動運転技術企業Pony.aiと提携し、カザフスタン国内でのロボタクシーサービスの検討を始めました。最初の実証都市にはアスタナを予定しており、Pony.aiの第7世代ロボタクシーをinDriveのアプリに組み込めるかどうかを両社で見極める方針です。この取り組みは、NVIDIAのセンサー・計算基盤Hyperionと、安全システムHalosに支えられているといいます。

NVIDIAは今回の一連の発表について、カザフスタンのAIエコシステムが計画段階から実際の導入段階へ移っている証しだとしています。

背景・解説

NVIDIA H200やB300は、AIモデルの学習や推論に使う高性能GPUの名称です。H200は主に大規模言語モデルの推論向け、B300はさらに高い演算性能を持つ世代として位置付けられています。Vera RubinはNVIDIAが示す次世代GPUの名称で、今回の発表ではまだ国内への本格投入前の計画段階にあたります。

「データセンター・バレー」は、カザフテレコムが新たに整備するデータセンター群を指して使われている呼称です。ロボタクシーとは、人の運転を介さずに走行する配車専用車両を指し、Pony.aiはその開発企業の一つです。HyperionとHalosは、それぞれ車両のセンサー・計算基盤と安全機能を担うNVIDIAの技術基盤として紹介されています。

NVIDIAは今回の発表を、インフラ整備・計算資源へのアクセス・AIを前提とした製品開発という3つの層が同時に進んでいる事例として位置づけています。国がGPUを増強するだけでなく、国内企業がそれを使って新しいサービスを形にし始めている点が、今回の発表のポイントです。

仕事や業務への影響 — AI Topicaの見方

この動きが直接関係するのは、中央アジアで事業拠点や物流網を持つ企業です。カザフスタン国内のGPU供給量が増えれば、現地法人がAIを使った需要予測や多言語対応のチャットボットなどを、今より安いコストで動かせるようになります。例えば、カザフスタンに現地法人を置き従業員30人規模で物流管理を担う商社なら、現地のGPUクラウド容量が増えることで、配送ルートの最適化モデルを自社サーバーに頼らず動かせます。

ロボタクシーの実証計画も、人の移動や物流を扱う企業には具体的な関心事です。inDriveとPony.aiの検討がアスタナで進めば、将来的に自動運転車両を使った配送や送迎のテスト環境が、海外企業にも開かれる窓口になります。現時点では実現可能性を評価する段階であり、サービス開始時期や対象都市数は示されていません。

日本企業にとっての実務上の意味は、GPU調達競争の広がりです。NVIDIAのGPUは世界各地で需要が重なっており、カザフスタンが年内から来年にかけてGPUを数千基単位で追加導入すれば、グローバルな供給バランスにも影響します。GPU調達を検討している情報システム部門は、国内だけでなく中央アジアを含む各国の導入計画を把握したうえで、調達時期を判断すべきです。

不確かな点・注意

今回の発表はNVIDIAの公式ブログによるもので、自社GPUの採用実績を紹介する性格を持つ点には留意が必要です。カザフテレコムのGPU導入計画のうち、Vera Rubinを含む来年分はまだ実施前の計画であり、実際の導入時期や完了時期は明らかにされていません。

inDriveとPony.aiのロボタクシー提携も、サービス化を前提にした実証ではなく、実現可能性を評価する段階にとどまっています。走行開始時期、対象車両数、安全性に関する規制対応などの詳細は示されていないままです。導入予定のGPUの用途別内訳や、カザフスタン国内でのAI利用企業数といった具体的な利用実態も、今回の発表だけでは判然としない状況です。

出典

  1. Kazakhstan Expands Compute for Its AI Future

AI Topica 編集部