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Claude・ChatGPTの契約のまま動くデスクトップAI「Kari」、GotoAIが無償公開

個人でChatGPTやClaudeを契約しているのに、社内の業務ツールでAIを使おうとすると別料金のAPI契約が必要になる――そんなちぐはぐさを感じたことがある人は少なくないはずです。今回の発表は、その二重負担を解消しようとする製品の登場を伝えるものです。

何が起きたか

GotoAI株式会社(東京都港区)は、デスクトップAIエージェントアプリケーション「Kari(かり)」を2026年9月21日より正式リリースし、提供を開始しました。Windows・macOS・Linuxで動作します。

最大の特徴は、Anthropic Claudeの Pro / Max プランやOpenAI ChatGPTのサブスクリプションに、ユーザー本人がサインインしてそのまま利用できる点です。新たにAPIキーを取得したり、従量課金の契約を結んだりする必要はありません。Anthropic公式のClaude Codeエージェントを改変せずに実行する方式のため、利用量は本人のプランに計上され、GotoAIがAI利用を代理購入・再販することはないとしています。

もう一つの特徴は、Web APIやMCP(Model Context Protocol)が用意されていない従来型のWebシステムに対しても、Kariが内蔵ブラウザーを自ら操作して検索・ページ遷移・情報収集を行い、分析対象にできる点です。公式ドキュメントでは、国会会議録の検索・分析や裁判例の検索・分析、政府統計データの取得・可視化などの手順が公開されています。

日常業務向けの機能としては、PDF・Word文書の要約や翻訳、PowerPointドラフトの作成、Excelデータの集計・可視化などが挙げられています。個人利用と100名未満の組織での利用はコミュニティライセンスにより無償で、100名以上の組織は最長60日間の無償評価が可能です。60日を超えて継続利用する場合は有償の法人ライセンスとなり、価格は問い合わせ対応となっています。

背景・解説

デスクトップAIエージェントとは、クラウド上のチャット画面ではなく、手元のパソコン上で動き、開いているファイルやブラウザーを直接操作しながら作業を進めるAIソフトを指します。API従量課金とは、AIモデルを呼び出すたびに使用量に応じて料金が発生する契約形態で、企業が業務システムにAIを組み込む際によく使われますが、個人契約とは別枠の費用になります。

GotoAIが公開した資料によれば、多くの従業員はすでにClaudeやChatGPTの個人向けサブスクリプションを契約している一方、業務ツールからAIを使おうとすると別途API契約が必要になる「二重負担」が課題として挙げられています。加えて、分析したい情報が手元のファイルやAPI・MCP未対応の古いWebシステムの中にあり、AIと連携する手段がないことも障壁とされてきました。Kariは、こうした環境をブラウザー操作の自動化によって橋渡しする位置づけです。

なお注記によると、Kariは米Block, Inc.が開発し現在はAgentic AI Foundationが運営するオープンソースプロジェクト「goose」を土台にした派生プロダクトであり、GotoAIが独自に開発したものです。Agentic AI Foundationなどからの公式な承認・後援を受けた製品ではないと明記されています。

仕事や業務への影響 — AI Topicaの見方

社員数50人前後で、経理や総務の担当者がすでに個人でChatGPTやClaudeを契約している会社ほど、この仕組みは導入のハードルが下がります。例えば、社員80人の卸売業でExcelの月次集計を担当する経理担当者が1人いる会社なら、これまで社内システムにAIを組み込むために別途API契約と予算稟議が必要だった作業を、既存のサブスク契約の範囲内でそのまま試せます。

100名未満の組織であれば無償で使えるため、まずは特定の部署やチーム単位で1〜2週間試用し、PDF要約やPowerPoint下書きの作業時間がどれだけ減るかを実測してから全社展開を検討するのが現実的です。100名以上の組織は60日間の無償評価が用意されているので、情報システム部門が数名がかりで検証してから有償契約の可否を判断する進め方が向いています。

ブラウザー操作による従来型Webシステムの分析機能は、社内の基幹システムがAPIやMCPに対応していない企業にとって使いどころが明確です。例えば、判例や統計データを手作業でダウンロードして集計している法務部や調査部門なら、定型的な収集作業をKariに任せることで、担当者1人あたり月に数時間かかっていた単純作業を減らせます。逆に、すでにAPI連携済みの業務システムを持つ会社では、既存の仕組みで十分であり、無理に乗り換える必要はありません。

不確かな点・注意

100名以上の組織が60日の無償評価後に契約する場合の法人ライセンス価格は、出典では「お問い合わせください」とされており、具体的な金額は公表されていません。導入を検討する場合は、見積もり段階で費用感を確認する必要があります。

また、Kariはオープンソースプロジェクト「goose」を土台にした派生プロダクトであり、Agentic AI Foundation、The Linux Foundation、Block, Inc.による承認や後援を受けたものではないと注記されています。リリース文書には「機能・仕様・ライセンスは予告なく変更される場合がある」との記載もあり、今回紹介した無償範囲や機能が今後変わる余地があります。

自社GPU基盤やローカルLLMとの接続、社内独自のAI基盤への対応についても言及がありますが、具体的な導入事例や利用実績の数値は出典に示されていません。実際の業務での効果は、各社の環境や利用量によって変わる可能性がある点に留意が必要です。

出典

  1. Claude・ChatGPTのサブスクで使えるデスクトップAIエージェントアプリ「Kari」をGotoAIが無償公開

AI Topica 編集部