AI Topica

ニュース

Google、AI一体型の新PC「Googlebook」予約開始 日本は対象外

ノートPC選びの基準に「AIをどれだけ使い倒せるか」が加わろうとしています。Googleが新カテゴリのPCを市場に投入したことで、Windows機一辺倒だった企業のIT担当者にも新しい選択肢が生まれつつあります。

何が起きたか

Googleは9月21日(現地時間)、5月に発表したノートPC「Googlebook」の予約受付を始めました。価格は899ドル(約14万円)からで、米国では10月4日、カナダ・英国・アイルランド・フランス・ドイツ・オーストラリアでは10月5日に店頭販売が始まります。予約はGoogle StoreやBest Buyなどで受け付けており、日本は今回の発売地域に含まれていません。

Googlebookは、AndroidをベースにChromeOSのデスクトップ向けの仕組みを組み合わせた新カテゴリのノートPCで、AI機能群「Gemini Intelligence」向けに設計されました。発売時のラインアップはAcer、ASUS、Dell、HP、Lenovoの5社による5モデルで、Googleの自社製品はありません。Acer製はコンバーチブル型、ASUS製は約1kgの軽量モデル、Lenovo製は15インチの大画面モデルと、各社で特徴を分けています。

搭載機能としては、画面上の内容に応じてGeminiを呼び出せる「Magic Pointer」、音声を整理された文章に変換する「Rambler」、自然言語でウィジェットを作成できる「Create My Widget」などが用意されました。購入者には「Google AI Pro」を12カ月分、「YouTube Premium」や「Adobe Photoshop」を3カ月分提供するとのことです。

背景・解説

ChromeOSとは、Googleが開発するシンプルさと起動の速さを重視したノートPC向けOSで、これまで「Chromebook」として日常使い向けの位置付けで販売されてきました。今回のGooglebookは、そのChromeOSの仕組みとAndroidを組み合わせ、プレミアム素材と高性能を備えたフラグシップ機として新しく位置付けられています。

スマートフォンとの連携も強化されており、スマートフォンで始めた作業をノートPC上で引き継ぐ「Continue On」や、スマートフォン内の写真・ファイルに直接アクセスできる専用アプリが用意されました。アプリの利用環境もWindows PCとは異なり、Google Playストアからのアプリ直接インストールや、拡張機能対応のデスクトップ版Chromeが使えます。Microsoft 365については、専用アプリを通じてWord・Excel・PowerPointのファイルを編集する形になるとされています。

プロセッサはIntelの「Core Ultra シリーズ3」またはQualcommの「Snapdragon X Elite」を採用し、いずれも45TOPS以上のNPUを備えます。開発者向けにはLinuxのターミナル環境も用意され、AnthropicのClaude Codeなどのツールも動かせるとしており、OSの機能追加は最長10年間続く見通しです。

仕事や業務への影響 — AI Topicaの見方

社内のPC調達方針を検討する部署は、当面はGooglebookを様子見の対象として扱うべきです。日本での発売時期が示されていない以上、今すぐ導入検討リストに載せる必要はありません。例えば、従業員50人規模の営業会社が来年度のノートPC更新を計画している場合でも、現時点でGooglebookを選択肢に入れる意味は薄く、既存のWindows機かChromebookの延長で検討して十分です。

一方で、AIをキーボードや画面操作の起点に据える設計思想そのものは、社内ツール選定の参考になります。音声から文章を整理する「Rambler」のような機能は、議事録作成や日報入力といった定型業務の時間を減らす方向性を示しており、例えば人事部の担当者が面接メモを毎回タイピングし直している場合、同種の音声整理機能を持つ既存サービスの導入を先に検討する価値があります。

Microsoft 365が専用アプリ経由での編集になる点は、Officeファイルの共同編集を日常的に行う経理部門などにとっては業務フローの見直しが必要になる要素です。例えば経理担当者3人が毎日Excelでの予算管理ファイルを共有している会社であれば、Googlebook導入前にファイル編集の互換性を個別に確認する作業が発生します。日本未発売の段階では、この確認作業自体を急いで行う必要はありません。

不確かな点・注意

日本での発売時期や取り扱いの有無は、出典の時点で明らかにされていません。今後の展開を待つ必要があります。

価格の899ドルは最小構成の想定で、メモリ容量やディスプレイの違いによって上位モデルの価格がどう変わるかは示されていません。企業が複数台まとめて調達する場合のコストは、この段階では見積もれません。

Microsoft 365の編集機能が専用アプリ経由になることで、既存のOfficeマクロや高度な機能をどこまで再現できるかも不明です。業務で複雑なExcel関数やマクロを多用している部門は、実機での確認が必要になります。

セキュリティ面では「Titan C」というチップの搭載が示されていますが、企業の情報システム部門が求める管理機能(MDM対応や社内認証との連携など)の詳細は出典からは分かりません。導入を検討する場合は、この点についてGoogleや販売代理店への個別確認が欠かせません。

出典

  1. Google、「Googlebook」の予約受付開始 899ドル(約14万円)から

AI Topica 編集部