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解説

GeminiのGem廃止、11月17日から「スキル」に 呼び出し方が変わる

社内で使い込んできたGeminiの「Gem」が、ある日突然消えるわけではありません。ただし呼び出し方や使い勝手は変わるため、業務に組み込んでいる担当者は移行前に仕組みを知っておく必要があります。

何が起きたか

米Googleは9月27日ごろから、生成AI「Gemini」のカスタムbot機能「Gem」を廃止し、後継機能の「スキル」へ移行すると告知しています。Geminiアプリ内のGem管理画面には「11月17, 2026より、Gemがスキルに」と表示されており、既存のGemはこの日から自動でスキルに変換されます。移行が完了するまではGemもそのまま使えます [1]。

廃止の時期はアカウントの種類によって異なります。個人アカウントが最も早く11月17日、Workspaceのビジネス・エンタープライズ・非営利組織向けプランは2027年3月、教育機関向けは2027年6月と続きます [1][2]。自動移行を待たず、Gemの指示文や添付ファイルを手動でスキルに移すことも可能です [1]。

スキルの呼び出し方はGemと異なります。チャット欄で「/」(今後「@」に変更予定)に続けてスキル名を入力するほか、Geminiが会話の内容に応じて自動で適用する場合もあり、1つのチャットで複数のスキルを組み合わせて使うこともできます [1][2]。

一方で、9月29日時点ではスキルにできないこともあります。GemではCanvasやDeep Researchなどを既定のツールとして組み込めましたが、スキルではまだ対応していません。他ユーザーとの共有、Googleドライブからのファイル追加、Geminiノートブックの読み込みも現状は使えず、今後対応する予定とされています [1]。

背景・解説

Gemとは、2024年に登場したGeminiのカスタム機能で、繰り返し使う指示をあらかじめ登録しておき、毎回同じ説明を書かずに呼び出せるようにするものです。学習コーチやブレインストーミングの相手役、キャリアガイド、コーディングパートナー、編集者といった既製のGemがGoogleから提供されていたほか、ランニングコーチや栄養士、旅行プランナーのように利用者自身が用途に合わせて作ることもできました [3]。

これに対してスキルは、Geminiでのタスクを自動化し、再利用可能にするためのカスタムコマンドと位置づけられています。役割そのものはGemと大きく変わりませんが、仕組みが異なります。Gemはサイドバーの一覧から選んで新しい会話を始める形でしたが、スキルは普段使っているチャットの流れの中で呼び出す形に変わります [1][2]。

作成方法もいくつかの選択肢があります。Geminiに指示して自動で作らせるほか、手動で作成する方法、ファイルを読み込ませて作る方法から選べます [1]。ただしスキルを使えるのは9月29日時点で18歳以上の個人アカウントのみで、職場・学校アカウントへの提供は「近く広げる」とされています [1]。

なお、似たような機能の整理は他社でも起きています。ChatGPTのカスタムアプリ「GPTs」も12月11日に提供終了予定で、プラグインへの移行が促されています [2]。

仕事や業務への影響 — AI Topicaの見方

社内でGemを複数運用している会社ほど、11月以降の操作方法の変化を先に把握しておくべきです。例えば、社員20人の広告代理店で、提案書のトーンを統一するためのGemを3種類使い分けている広報担当者がいる場合、サイドバーから選ぶ操作が「/」に続けてスキル名を入力する操作に変わるため、一度は使い方を確認する時間を取るべきです。

呼び出し方が変わるだけで役割自体は維持されるため、指示文を作り直す必要はほとんどありません。既存のGemは自動でスキルに変換されるため、個人アカウントで使っている担当者は特別な作業をしなくても11月17日を過ぎれば移行が完了します。

一方で法人向けアカウントを使う会社は、猶予期間の長さを踏まえて計画を立てるべきです。例えば、Workspaceのビジネスプランで経費精算のGemを人事部が共有している会社なら、2027年3月までは従来通り使えるため、急いで切り替える必要はありません。ただしCanvasやファイル共有など一部機能が現状のスキルでは使えないため、これらを日常的に使っているチームは、対応が進むまで移行を急がない方が安全です。

不確かな点・注意

職場・学校アカウントへのスキル提供時期は「近く広げる」としか説明されておらず、具体的な日付は明らかになっていません。Canvasや Deep Researchなどの既定ツールをスキルに組み込める時期についても、対応予定とされているだけで見通しは示されていません [1]。

他ユーザーとの共有、Googleドライブからのファイル追加、Geminiノートブックの読み込みについても同様に、今後の対応時期は不明です。呼び出し記号を「/」から「@」に変更する時期も、現時点では「間もなく」としか示されていません [1][2]。既存のGemがどこまで忠実にスキルへ変換されるかについても、公式発表からは細部まで確認できません。

出典

  1. Geminiの「Gem」廃止へ、11月17日から「スキル」へ刷新
  2. グーグル、Geminiのカスタムアプリ「Gem」を11月で終了 Skillへ移行
  3. Google is killing off Gemini's Gems in favor of 'skills' | TechCrunch

AI Topica 編集部