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富士通、サイバー攻撃の調査をAIと専門家で支援 脅威解析は最短1営業日

サイバー攻撃を受けたとき、原因や被害範囲の特定にどれだけ時間がかかるか、即答できる企業はどれほどあるでしょうか。富士通が発表した新サービスは、この初動対応の遅れという課題に向き合うものです。

2026年10月31日 10:20 公開約4分で読めますAI Topica 編集部

この記事の要点

1富士通が2026年10月30日、AIと専門家を組み合わせたインシデント調査・対応支援サービスを国内で提供開始
2脅威分析AIシステムが24時間365日、フォレンジック調査と脅威解析を実施し、専門家が検証・補完
3脅威解析は最短1営業日、フォレンジック調査は最短2営業日で調査報告書を提供
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何が起きたか

富士通は、サイバー攻撃などのインシデント発生時に原因や被害範囲を迅速に把握し、企業の初動対処や対応方針の意思決定を支援するサービスを2026年10月30日より国内で提供開始しました。

このサービスでは、フロンティアAIを活用した脅威分析AIシステムが、端末などのデータから侵入の痕跡や被害状況を調べるフォレンジック調査機能と、マルウェアや不審なURLを解析する脅威解析機能を提供します。利用企業は24時間365日、調査対象データを専用ポータルにアップロードすれば、AIによる解析をいつでも開始できます。

AIによる解析結果は、富士通のセキュリティ専門家が検証・補完したうえで、侵入の痕跡や推奨される対応策などをまとめた調査報告書として提供される仕組みです。報告書が届くまでの時間は、脅威解析が最短1営業日、フォレンジック調査が最短2営業日とされています。

また、AIによる調査の結果、影響が広範囲に及ぶなど詳細な調査や緊急対応が必要と判断された場合には、富士通のインシデント対応チームがトリアージ調査やログ調査を行い、被害拡大の防止や復旧に向けた対応策を提案・実施します。専門家による対応支援は一定時間まで基本料金に含まれ、必要に応じて追加できるリテーナー形式になっています。

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背景・解説

フォレンジック調査とは、サイバー攻撃を受けた際に侵入経路や被害範囲を特定するため、端末やログに残された攻撃者の痕跡を発見・分析する調査のことです。脅威解析は、マルウェアや不審なURLなどを個別に解析し、その性質や危険度を見極める作業を指します。いずれも従来は専門知識を持つ人材が時間をかけて実施してきました。

富士通が挙げる背景として、AI技術の発展によりサイバー攻撃の速度が上がり、侵入から被害発生までの時間が短縮されていることがあります。企業には被害を未然に防ぐ対策に加え、インシデント発生時に影響を最小限に抑えて迅速に復旧する力が求められるようになりました。

一方で、フォレンジック調査やマルウェア解析には高度な専門知識が必要なうえ、調査自体に一定の期間がかかるため、初動対処や意思決定が遅れることが課題とされてきました。加えて、サイバー攻撃に対応できる専門人材の確保や、いつ発生するか分からないインシデントに備えた常時対応体制の維持は、自社だけでは難しいという事情もあります。富士通は、サイバーセキュリティ戦略の中核に位置づけるバーチャル組織のもとで今後も本サービスを強化していく方針を示しています。

03AI Topicaの見方

仕事や業務への影響

専任のセキュリティ担当者を置けない中堅・中小企業ほど、このサービスの恩恵は大きくなります。例えば、従業員300人規模の製造業で情報システム担当が2人しかいない会社では、不審なファイルを見つけてから社内だけで原因を突き止めるのに数日を要することが珍しくありません。そこに最短1営業日で脅威解析の結果が届けば、経営層が対応方針を決める時間を大きく前倒しできます。

リテーナー契約で専門家の対応時間が基本料金に含まれる仕組みも、実務上の意味があります。インシデントはいつ起きるか予測できないため、都度見積もりを取って契約していては初動が遅れがちです。あらかじめ一定時間分の専門家対応を確保しておく発想は、年に数回しか発生しないインシデントのために常勤の専門人材を抱えるより合理的です。

小規模な事業者であれば、すべての機能を使いこなす必要はありません。まずは脅威解析機能だけを使い、不審なファイルを受け取った際にアップロードして判定を仰ぐ運用で十分な企業も多いはずです。逆に、複数拠点を持ち端末数が多い企業は、フォレンジック調査まで含めた契約を検討すべきです。影響範囲が広がった場合に備え、トリアージ調査から緊急対応までが一連のサービスに含まれている点は、社内に対応フローを一から作る手間を省きます。

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不確かな点・注意

今回の発表では、サービスの価格や契約期間、専門家対応が基本料金に含まれる「一定時間」の具体的な長さは示されていません。契約を検討する企業は、自社の想定インシデント件数に対して何時間分の専門家対応が含まれるのかを個別に確認する必要があります。

脅威分析AIシステムが使う「フロンティアAI」がどのような仕組みのモデルかについても、プレスリリースには詳細な説明がありません。AIによる一次解析の精度がどの程度で、専門家による補完がどの範囲まで及ぶのかは、実際の利用事例が増えないと判断しづらい部分です。

また、富士通は既存の関連サービスとの位置づけについても明言していません。プレスリリースに記載された内容は発表日時点のものであり、価格や仕様は予告なく変更される可能性がある点も留意が必要です。

出典

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