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AI作曲「Music v2.5」提供開始、学習データの出所を明示して差別化
広告動画や社内コンテンツにBGMを使いたい企業にとって、著作権の出所がはっきりした音楽生成ツールは選びやすい存在です。今回のMusic v2.5は、性能だけでなく学習データの扱いを明示した点が実務上の判断材料になります。
何が起きたか
Elevenlabsは、AI作曲サービス「ElevenMusic」向けに新版「Music v2.5」を提供開始しました。生成される楽曲について、以前より音の厚みが増し自然な仕上がりになったと同社は説明しています[1]。
4万7885組の比較によるブラインドテストでは、聴取者の多くが旧版よりMusic v2.5を好んだといいます。特にR&B、ソウル、ヒップホップ、ロック、オーケストラ楽曲でその傾向が強く出ました[1]。
利用者は生成した楽曲の権利を保持できます。無料プランでは1日5曲までロスレス形式でダウンロードでき、有料のProプランでは月400曲までダウンロードが可能です[1]。
業種や利用目的によっては商用利用も認められていますが、無料プランでの利用にはクレジット表記が必要です。既存アーティストの楽曲を基にした生成物のダウンロードは制限され、実在するミュージシャンを模倣する使い方も認められていません。Music v2.5はAPI経由でも利用でき、旧版のv2も引き続き利用可能です[1]。
背景・解説
AI作曲ツールとは、テキストの指示などから自動で楽曲を生成する仕組みで、企業のプロモーション動画やSNS投稿用のBGM制作などに使われ始めています。ここで論点になるのが「学習データの出所」です。生成AIは大量の楽曲データを学習して曲を作りますが、その元データに著作権者の許諾があるかどうかで法的なリスクが変わってきます。
Elevenlabsは、既存のMusicモデルを「ライセンス済みのステムおよび音源」で学習したと説明していますが、データの詳細までは公開していません[1]。同社は最近、大手音楽会社Universal Music Groupとライセンス契約を結んだとしていますが、これは今後登場する別製品向けであり、Music v2.5には適用されないと明言しています[1]。
一方、競合のSunoは権利者の同意を得ずに著作権のある楽曲を学習に使ったとして提訴されており、Elevenlabsとの姿勢の違いが際立つ形になっています。なお、Sunoも同じ週に新しいモデルを公開しています[1]。
仕事や業務への影響 — AI Topicaの見方
社内外に配布する動画や広告にBGMを使う企業ほど、Music v2.5のような学習データの出所を明示するツールを選ぶ意味は大きくなります。例えば、社員30人規模の広告制作会社が月10本のプロモーション動画を作る場合、BGMの著作権リスクを個別に確認する手間を減らせる点は実務上のメリットです。有料のProプランなら月400曲までダウンロードできるため、担当者1人で複数案件を並行して進めても曲数が不足することはまずありません。
無料プランでもクレジット表記さえ守れば商用利用の道が開けているため、予算の少ない小規模事業者やスタートアップの広報担当者でも試しやすい設計です。1日5曲という制限は、単発のSNS投稿用BGMを探す程度の用途なら十分に足ります。
一方で、著作権リスクをゼロにしたい大企業の法務・コンプライアンス部門は、学習データの詳細が公開されていない現状を踏まえ、契約条件や利用規約を個別に確認すべきです。特に既存アーティストの楽曲を基にした生成物のダウンロードが制限されているという条件は、ブランドイメージを重視する企業ほど事前に社内の広報基準と照らし合わせておく必要があります。
不確かな点・注意
学習に使われた「ライセンス済みの音源」の具体的な内訳は公開されておらず、どの権利者との契約に基づくものかは出典からは判断できません[1]。Universal Music Groupとの契約が将来的にMusic v2.5にも影響を及ぼすかどうかも明らかにされていません[1]。
商用利用の可否は「業種や目的による」とされていますが、具体的にどの業種が対象外になるのかは示されていません[1]。料金体系についても、無料枠とProプランの詳細以外の価格帯や上位プランの有無は出典に記載がなく、導入を検討する企業は最新の公式情報を個別に確認する必要があります。