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CTCと日本IBM、AI駆動開発サービス「A-Native」で協業 レガシー刷新を支援
基幹システムの刷新にかかる調査や設計の手間を減らしたい企業にとって、今回の協業内容は確認しておく価値があります。CTCと日本IBMが連携し、AIが開発工程を支援するサービスの提供を正式に始めたためです。価格や対象企業の条件も公表されており、導入を検討する際の目安になります。
何が起きたか
CTCと日本IBMは、AIを使った開発・刷新支援サービス「A-Native」で協業したと発表しました。CTCが10月15日付でサービス提供を開始し、中核ツールとして日本IBMの「IBM Bob」を採用しています。
A-Nativeは、新規アプリ開発を効率化する「A-Native Develop」、既存システムの構造やソースコードを分析して改修範囲を特定する「A-Native Modernize」、社内文書検索や問い合わせ対応に使うAIエージェントを提供する「A-Native Agent」の3本柱で構成されています(Agentは12月リリース予定です)。
中核のA-Native Developには監査ログ管理や作業承認といったガバナンス機能が備わっており、セキュリティや運用管理の要件にも対応しているとされています。価格は税別500万円からで、CTCは基幹システムや大規模業務システムの刷新を検討する企業を対象に、3年間で50社への導入を目指すとしています。
背景・解説
AI駆動開発とは、要件整理や設計、プログラム作成、テストといった開発工程の一部をAIが肩代わりし、人の作業量を減らす開発手法を指します。
長年運用してきた基幹システムは、改修を重ねるうちに構造が複雑になり、設計資料の整備が追いつかず、どこを直せば影響が出るか把握しづらくなりがちです。その結果、法制度変更への対応が遅れたり、ITコストが膨らんだり、特定の担当者しか中身が分からない属人化が進んだりする課題が指摘されてきました。
今回の協業では、日本IBMのIBM Bobが要件整理から実装・テストまでの開発工程をAIで支援する役割を担い、監査ログ管理や作業承認といった企業向けのガバナンス機能も備えています。CTCは大規模システム開発やクラウド基盤構築で培った技術力に加え、日本IBMとの技術検証で得た知見も活用し、要件整理や設計書作成を伴走する形で支援する立場です。両社は今後、顧客の業務内容に合わせたAIエージェントの開発サービスも拡充していく方針だとしています。
仕事や業務への影響 — AI Topicaの見方
基幹システムの改修を外部ベンダーに丸投げしてきた企業ほど、この協業の恩恵は大きくなります。
例えば、従業員300人規模の製造業で、20年前に構築した生産管理システムを情報システム担当者2人だけで保守している会社を考えてみます。こうした会社では、改修の影響範囲を調べるだけで数週間かかり、担当者の退職がそのままシステムの属人化リスクに直結します。A-Native Modernizeのように既存システムの構造を機械的に分析するサービスを使えば、調査にかかる時間を圧縮でき、属人化の解消にもつながります。監査ログや作業承認といったガバナンス機能が標準で備わっている点も、内部統制を重視する企業には判断材料になります。
税別500万円という価格は、数百万円から数千万円規模になりがちな基幹システム刷新プロジェクトの初期調査費用としては検討しやすい水準です。ただし、500万円はあくまで入り口の価格であり、実際の刷新作業やAI Agentの追加導入まで含めると総額は膨らむと見るべきです。情報システム部門が3人以下の中堅企業は、まず調査・分析工程だけを依頼し、効果を見てから開発工程に広げる進め方が無理のない選択です。
不確かな点・注意
A-Native Agentは12月リリース予定とされており、現時点でどのような機能を備えるのか具体的な仕様は明らかになっていません。
価格も税別500万円からという下限しか示されておらず、システム規模や刷新範囲によって総額がどこまで上がるのかは不明です。3年間で50社という導入目標も意向として示されたもので、実際の契約数や顧客業種の内訳は公表されていません。IBM Bobの処理精度やセキュリティ対策の詳細、ガバナンス機能が実際の監査体制にどこまで対応できるのかについても、発表内容からは読み取れない部分が残っています。