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コロプラの社内調査、生成AI活用で8割が時短「自動化ツール1091個」に
生成AIを使わせるだけでは、現場は変わりません。コロプラの社内調査は、時間削減の実感とツールの自作文化がセットで根づいたときに何が起きるかを、数字で示しています。自社の活用状況を見直す材料になります。
何が起きたか
株式会社コロプラは、全社員を対象に生成AIの活用実態に関する社内アンケートを実施し、その結果を公表しました。調査対象は2025年9月時点の全社員566名で、有効回答数は423名(エンジニア164名、エンジニア以外259名)です。
調査結果によると、81.1%が「AI活用によって業務時間を削減できたと感じる」と回答しました。削減できたと感じた社員の自己申告をもとに算出した1人あたりの削減時間は、月間換算で約25.8時間相当にのぼります。
さらに78.5%が「業務上の課題発見や、企画・アイデア出しの質が改善した」と回答し、そのうち91.6%が「実際の実行・制作の精度向上につながっている」と答えました。加えて52.7%が、Gemやスキル、Botといった業務効率化のための自動化の仕組みを自分で作成した経験があると回答し、社員が作成した自動化の仕組みは合計1,091個にのぼるといいます。
背景・解説
今回の調査でいう「自動化の仕組み」とは、Gem(特定用途向けに設定したAIアシスタント)やスキル、Botなど、社員が日常業務の一部をAIに任せるために自作したツールを指します。エンジニアが専門知識を使って作るものだけでなく、デザイナーやバックオフィス部門の社員が自ら作成した例も含まれている点が特徴です。
コロプラは「創作の主体は常に人である」という方針のもとでAI活用を進めており、人事戦略部主導の「AIナレッジ共有会」や、技術広報チームによるエンジニア向け勉強会など、社内でノウハウを共有する仕組みを継続的に運用しています。今回の調査結果は、こうした社内の取り組みの積み重ねの上に出てきた数字といえます。
削減時間の算出方法にも注意が必要です。調査では、削減を感じなかった社員を0時間として有効回答423名全体で平均した週あたり削減時間を、月換算した推計値としています。つまり全員が一律に25.8時間を削減しているわけではなく、実感の差を含めた全社平均という位置づけです。
仕事や業務への影響 — AI Topicaの見方
経理・人事・カスタマーサポートなど、定型作業を抱える部門があるなら、まず「自作ツールを作れる人を増やす」施策から着手すべきです。今回の数字が示すのは、AI導入の効果が一部の専門職に限られず、バックオフィス部門を含む幅広い職種に広がったという点にあります。
例えば、従業員80名規模の製造業で、経理担当が3名、バックオフィス全体で15名という会社を想定します。コロプラの調査では自作経験者223名が1人平均4.9個のツールを作成しており、この比率をそのまま当てはめれば、15名のうち半数弱が数個ずつの自動化ツールを持つ状態を目指せる計算になります。専任のエンジニアがいなくても、日々の集計作業やファイル検索といった定型業務は、現場発の小さなツールで削減できる余地があるということです。
もう一つ重要なのは、時間削減だけでなく「企画・アイデア出しの質」の改善に踏み込んでいる点です。78.5%が改善を実感し、その9割以上が実際の制作精度向上につながったと回答しているのは、AIを単なる作業代行として使うのではなく、思考の壁打ち相手として使う運用が定着した結果です。営業企画や商品開発の部署であれば、会議前にAIとの壁打ちで論点を整理する習慣を取り入れるだけでも、資料作成の手戻りを減らせます。
社内勉強会や共有会のような場を設けることも軽視できません。週次のナレッジ共有会という継続的な仕組みがあったからこそ、1,091個という自作ツールの数につながったと読めます。単発の研修で終わらせず、定期的に事例を共有する場を作ることが、活用の広がりを左右します。
不確かな点・注意
今回の数字はコロプラという1社の社内調査であり、有効回答数は423名にとどまります。業種や企業規模、既存の業務プロセスが異なる会社にそのまま当てはまるとは限りません。
削減時間の月間25.8時間相当という数値も、削減を感じなかった社員を0時間として全体平均した推計値です。実際に削減効果を実感した343名だけで見た場合の平均時間は公表されておらず、部門ごとの内訳も明らかになっていません。
自動化ツール1,091個という数字も、自己申告に基づく集計です。ツールの利用頻度や業務への貢献度、重複の有無までは示されていないため、単純に個数の多さだけで効果の大きさを判断すべきではありません。
コロプラが公表しているのはあくまで自社の取り組みの成果であり、他社が同様の施策を導入した場合に同じ削減率が得られる保証はない点にも注意が必要です。