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ChatSense「Notebook AI」、紙のスキャンPDFからもスライド自動生成に対応
紙で保管してきた古い資料は、デジタル化するたびに手作業での書き起こしが壁になってきました。その壁が、生成AIの読み取り機能によって低くなろうとしています。
何が起きたか
株式会社ナレッジセンスは、法人向けAIエージェント「ChatSense」のNotebook機能について、文字を選択できないスキャンPDFからも内容を読み取り、スライドを生成できるようにしたと発表しました。
これまでNotebook機能は、社内資料を読み込んでAIへの質問やスライド作成に活用できるサービスとして提供されていましたが、スキャナで取り込んだPDFは文字情報を持たないため、スライド生成に使うには内容を手作業で書き起こす必要がありました。今回のアップデートにより、この手作業が不要になります。
機能の特徴は次の3点です。
- 文字を選択できないスキャンPDFからも、内容を読み取ってスライドを生成できます。
- 文字のあるページと画像のページが混在するPDFも、ページ順に読み取ります。
- 紙で保管していた資料を、社内説明用のスライドへ再利用できます。
ChatSenseは東証プライム上場企業を含む500社以上に導入されているといい、今回の機能は既存のNotebook機能に追加される形で提供されます。詳細な利用条件については、問い合わせが必要だとされています。
背景・解説
Notebook機能とは、社内に蓄積された資料をAIに読み込ませ、内容に関する質問への回答やスライド作成に活用できる仕組みを指します。ChatSense自体は、米OpenAI社が2022年秋にリリースした大規模言語モデルを基盤に、セキュリティを強化した形で法人・自治体向けに提供されているサービスです。
ここで鍵になる「スキャンPDF」とは、紙の書類をスキャナで読み込んだだけの画像データであり、通常のPDFのように文字をコピー&ペーストできないファイルのことです。これまでNotebook機能でスライドを作る場合、こうしたファイルの内容はいったん人の手で文字に起こしてから入力する必要がありました。
ナレッジセンスによると、過去の資料を紙で保管してきた企業から「スキャンしたPDFもそのままスライドにしたい」という要望が寄せられていたといいます。今回の機能追加は、こうした声を受けたものだと説明されています。生成AIの企業導入が進む中で、紙とデジタルが混在する社内資料をどう活用するかは、多くの企業に共通する課題になっています。
仕事や業務への影響 — AI Topicaの見方
紙の資料が社内に多く残っている会社ほど、この機能の恩恵は大きくなります。例えば、従業員80人の製造業で、過去10年分の品質基準書や検査手順書を紙のファイルで保管している総務担当者がいたとします。これまでは新人研修用のスライドを作るたびに、該当ページを探し出し、内容を手入力でパソコンに起こす作業が発生していました。今回の機能を使えば、スキャンしたPDFをそのまま読み込ませるだけで、スライドの下書きが得られます。
書き起こし作業そのものが不要になる点は、特に総務・人事・品質管理など、紙の台帳や過去の規程類を扱う部署にとって価値があります。1件あたりの書き起こしに数十分かかっていた作業が、スキャンとアップロードだけで済むようになれば、担当者が月に何件もの資料整理を抱えている場合ほど時間の削減幅は大きくなります。
一方で、画像中心の資料や手書きのメモが多い会社では、読み取り精度への依存度が高くなります。例えば、現場の手書き図面を大量に保管している建設業の会社であれば、まずは少数の資料で試し、スライドの仕上がりを確認してから本格的に業務フローへ組み込むべきです。
不確かな点・注意
今回の発表では、スキャンPDFの読み取り精度や対応できるファイルサイズ、生成までにかかる時間については明らかにされていません。手書き文字や劣化した紙資料をどこまで正確に読み取れるかも、公表された情報だけでは判断できません。
利用料金や既存プランとの関係についても、発表文では具体的に示されておらず、詳細は問い合わせが必要だとされています。導入を検討する場合は、自社が保管している資料の種類や量をもとに、実際の読み取り結果を確認してから判断するのが確実です。