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仕事への影響

企画職・管理職の仕事、ChatGPT最多利用は「計画・意思決定」に

日本企業でChatGPTを使う人の多くが、資料作成よりも「何をどう進めるか」を考える作業に使い始めています。企画職や管理職にとっては、作業を肩代わりしてもらう道具から、判断の土台を一緒に作る道具へと役割が変わりつつあるということです。

何が起きたか

OpenAIは10月26日、ChatGPTが仕事でどのように使われているかを示す統計データ「OpenAI Signals v3.0」を公開しました。約100カ国を対象に、ChatGPTで行われる作業を165種類に分類し、国ごとの利用傾向や時間による変化を分析できるようにしたものです。

日本の2026年第3四半期のデータでは、業務の大分類で「計画・意思決定」が35.8%と最も多く、「成果物の作成」が22.3%、「情報入力」が13.7%、「開発・助言」が10%、「情報処理」が9%、「コミュニケーション・相互作用」が7%と続きます。

25年第1四半期と比較すると、「計画・意思決定」は31%から35.8%に、「開発・助言」は8.8%から10%に増加しました。一方で「成果物の作成」は25.5%から22.3%に、「コミュニケーション・相互作用」は13.5%から7%に減少しています。なお、この集計は個人向けChatGPTプランの業務関連メッセージが対象で、企業向けプランやCodexでの利用は含まれていません。

背景・解説

今回の統計のもとになっているのは、米国の職業情報データベース「ONET」です。ONETは職種ごとの仕事内容を体系的に整理したデータベースで、OpenAIはここから職種を超えて共通する作業を165種類の「Intermediate Work Activities(IWA)」として抽出し、各国のChatGPT利用傾向を比較できるようにしています。

「計画・意思決定」というカテゴリーは、資料や文章そのものを作る作業ではなく、物事の進め方を検討したり、選択肢を比較して判断したりする作業をまとめたものです。これに対して「成果物の作成」は、文書や資料そのものを生成する作業を指します。日本ではこの2つの割合が逆転するように動いており、2025年第1四半期から2026年第3四半期にかけて、前者が増え後者が減るという傾向が続いています。

全期間を通じてデータを取得できた74カ国全体では、業務関連メッセージに占める上位10種類の作業の割合が、25年第1四半期の平均56%から26年第3四半期には51.1%に低下しました。特定の作業への集中が弱まり、利用の幅が広がっていることがうかがえる数字です。

仕事や業務への影響 — AI Topicaの見方

企画部門や管理職の実務では、ChatGPTの使いどころを「資料を作らせる」から「判断材料を整理させる」へ移すべきです。今回の統計が示すのは、日本のChatGPT利用で「成果物の作成」よりも「計画・意思決定」の割合が高くなっているという事実であり、これは企画職や管理職の仕事の中心がそこに移りつつあることを裏付けています。

例えば、新規事業の企画担当者が3人いる中堅メーカーを考えてみます。これまでは企画書のたたき台や議事録の下書きをChatGPTに作らせる使い方が中心だったとすれば、今後はそこから一歩進んで、複数の事業案のメリット・デメリットを整理させたり、予算配分の選択肢を比較させたりする使い方に重心が移ることになります。実際に25年第1四半期から26年第3四半期にかけて、日本では「計画・意思決定」が31%から35.8%に伸びる一方、「成果物の作成」は25.5%から22.3%に下がっており、同じ方向の変化が起きています。

管理職にとっては、部下に任せていた「たたき台作り」の比重が下がり、自分自身が意思決定の過程でChatGPTを使う場面が増えるという変化でもあります。例えば、月次の予算会議を控えた部長が1人で臨む場合、仮に会議前にChatGPTへ複数案のリスクを洗い出させておけば、会議の場で議論すべき論点を絞り込める余地が生まれます。一方で「コミュニケーション・相互作用」は13.5%から7%へと半分近くまで減っており、メールや連絡文の作成といった定型業務はすでに一巡し、次の使いどころとして判断支援が選ばれている状況です。

経営企画やマーケティング企画の担当者は、ChatGPTを「資料生成ツール」としてだけ評価するのをやめるべきです。選択肢の洗い出しや意思決定のたたき台作りに使う場面を増やし、その分を会議や上司への説明に充てる時間配分に変えていくことが実務上の対応になります。

不確かな点・注意

今回の統計は個人向けChatGPTプランの業務関連メッセージのみを対象としており、企業向けプランやCodexでの利用は含まれていません。企業の実際の業務利用全体を正確に反映しているとは言い切れない点には注意が必要です。

また「計画・意思決定」や「成果物の作成」といった分類は、O*NETをもとにした大まかなカテゴリーであり、具体的にどのような業種・職種の担当者がどんな指示文を入力しているかまでは明らかにされていません。日本で割合が増えた背景についても、OpenAIは各国の産業構造やAIツールへのアクセス状況が影響している可能性を挙げているにとどまり、断定的な理由は示されていません。数字の変化が実際の業務時間や成果にどの程度結びついているかも、この統計だけでは判断できない部分です。

出典

  1. ChatGPT、仕事での利用が多様化 日本では「計画・意思決定」が最多

AI Topica 編集部