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AI競争で劣勢のApple、勝機は「Mac」復権にあるか
スマートフォンやパソコンの選定でApple製品を軸にしている企業は少なくありません。AIエージェントが台頭する中でApple製品の位置づけがどう変わるのかは、社内のIT投資計画にも関わる話です。
何が起きたか
2026年9月に開催されたAppleのイベントは、同社にとって節目となる回になりました。15年間CEOを務めてきたTim Cook氏が退任し、前ハードウェアエンジニアリング担当上級副社長のJohn Ternus氏が新CEOに就任しています。
Cook氏がSteve Jobs氏からCEOを引き継いだ当時、Appleの時価総額は3020億ドルでした。それが現在では4兆6000億ドルにまで拡大しています。この成長率を新体制がどう超えていくかが、経営面での焦点になっています。
一方で、ユーザー向けAI製品の質という点では、Appleはライバル各社に大きく差をつけられていると記事は指摘しています。「iOS 27」など各種OSに改善は加えられているものの、「Siri」を「愛用のAI」だと捉えるユーザーはいないとも述べられています。ハードウェアの魅力自体に異論は少ないものの、AIをめぐる評価は厳しいものになっています。
背景・解説
AIエージェントとは、人が指示した目的を理解し、検索や操作を代行してくれるソフトウェアを指します。ここ数年で「Claude」や「ChatGPT」「Gemini」といったAIエージェントが普及し、人がテクノロジーとやり取りする方法そのものを変えつつあります。
Appleの歴史を振り返ると、1991年当時の主力は「Macintosh」でした。その後「iPod」を経て、2011年ごろには「iPhone」の会社へと軸足を移し、iPhoneの成功によって時価総額1兆ドル企業の仲間入りを果たしています。時代ごとに主力製品を切り替えながら適応してきたのがAppleの歩みです。
ただし今回のAIの台頭は、これまでとは性質が異なる変化だと記事は説明しています。かつてGoogleは検索の入り口として機能し、ユーザーはGoogleで検索語を入力してからウェブサイトへ移動していました。しかしGoogleが「AIによる概要」を導入し、Geminiを検索結果の上部に配置するようになったことで、検索経由でウェブサイトに流入するトラフィックはこの1年で大きく減っています。AIが検索結果を要約して答えを出すため、ウェブサイトへ移動する必要自体が減っているためです。
記事はこの構図をかつてのBlackBerryやNokiaになぞらえています。両社が衰退した理由はハードウェアの品質ではなく、操作方法そのものが時代遅れになったことにありました。インターフェースがAIエージェントに置き換わっていけば、デバイスを作る企業の存在感は薄れていく、というのが記事の見立てです。
仕事や業務への影響 — AI Topicaの見方
Apple製品を業務標準に据えている企業ほど、選定基準をAI性能だけに寄せる必要はありません。AI機能の優劣で判断するなら、社内のAI活用はAIエージェント側のサービス選定で対応すれば十分です。例えば、社員30人のデザイン会社が業務用パソコンの入れ替えを検討している場合、AI機能の充実度よりも既存のクリエイティブアプリやOSとの親和性を優先して選ぶべきです。
一方で、情シス部門はデバイス選定とAIツール選定を切り離して考える必要があります。パソコンやスマートフォンの調達方針を決める際に、そのメーカーのAI機能を主要な評価軸にするのは筋違いです。例えば、従業員200人の製造業がノートパソコンを一括更新する場合、耐久性やサポート体制、既存資産との互換性を軸に選び、生成AIの活用は別途「ChatGPT」などの業務利用ルールで整備する方が合理的です。
経営層にとっては、特定メーカーのハードウェア戦略よりも、自社のAIエージェント活用の設計を優先度の上位に置くべき局面になっています。デバイスは道具であり、業務の中心はAIエージェントとのやり取りに移りつつあるためです。
不確かな点・注意
記事は海外メディアの分析記事であり、Apple自身が今後のAI戦略やMacの位置づけについて公式に説明した内容ではありません。時価総額の数値も執筆時点のものであり、今後変動する点には注意が必要です。
また、検索トラフィックの減少についてはGoogleを例にした説明であり、Apple製品の利用実態に直接当てはめた数値は記事中に示されていません。Appleが今後どのようなAI関連の製品や機能を投入するかについても、この記事からは判断できません。企業がIT調達方針を見直す際は、個別の製品発表や公式情報を別途確認することが欠かせません。