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法務の契約審査、自社基準をAIに学習させると何が変わるか

契約審査の判断基準は、ベテラン担当者の頭の中にしか残っていないという会社は少なくありません。自社の過去契約やルールをAIに学習させてレビューに使う動きが始まり、法務・契約審査の仕事の進め方に関わってきます。

2026年10月28日 07:00 公開約3分で読めますAI Topica 編集部

この記事の要点

1SMBCリーガルXが契約管理プラットフォーム「LegalXross」で「AI契約書レビュー」の提供を開始しました
2過去契約書や社内ルールを基に自社独自の審査基準を「プレイブック」として体系化し、生成AIがその基準に沿って契約書をレビューします
3アンダーソン・毛利・友常法律事務所の監修と三井住友銀行法務部門の現場の声を参考に開発されました
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何が起きたか

SMBCリーガルX株式会社は、契約管理プラットフォーム「LegalXross」で、契約審査支援サービス「AI契約書レビュー」の提供を開始しました。

このサービスは、企業が保有する過去の契約書や社内ルールなどを基に、自社独自の審査基準を「プレイブック」として体系化し、その基準に沿って生成AIが契約書をレビューするクラウド型のサービスです。一般的な法的論点の確認に加えて、自社独自の審査基準に沿って修正・確認が必要なポイントを洗い出し、修正案を提示する仕組みになっています。

開発にあたっては、国内最大級の法律事務所であるアンダーソン・毛利・友常法律事務所が監修し、株式会社三井住友銀行の法務部門の現場の声も参考にしたといいます。主な特長として、自社データに基づくプレイブックの構築、自社独自の審査基準に基づくレビュー、審査品質の平準化とナレッジの蓄積の3点が挙げられています。SMBCリーガルXは三井住友フィナンシャルグループが100%出資する企業です。

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背景・解説

「プレイブック」とは、審査すべき論点や判断基準をあらかじめ文書化してまとめたもので、このサービスでは過去契約書や社内ルールから自社固有の審査基準を抽出し、体系立てて整理したものを指します。

契約審査の現場では、自社の事業特性や取引条件、リスク許容度を踏まえた判断が日常的に求められます。こうした判断の基礎となる基準は法改正や事業環境の変化に応じて見直しが必要ですが、多くの企業では明文化されないまま担当者個人の経験や過去の契約事例の中にとどまってきました。その結果、担当者ごとに審査品質にばらつきが出るほか、異動や退職のたびにノウハウが引き継がれず、組織としての蓄積が難しいという課題が指摘されています。今回のサービスは、こうした暗黙知を基準として明文化し、継続的に更新できる仕組みを提供する試みと位置づけられています。

03AI Topicaの見方

仕事や業務への影響

契約審査の経験が浅い担当者を多く抱える会社ほど、この仕組みの効果は大きくなります。例えば、従業員300人規模の製造業で、契約審査を担う法務担当者が2人しかいない会社を考えてみます。ベテランが長年の経験で培った「この条項は自社では必ず修正を求める」という判断基準が明文化されていなければ、その担当者が異動や退職をした途端に審査品質が落ちかねません。プレイブックとして基準を体系化しておけば、経験の浅い担当者でも同じ判断軸で一次チェックを進められるようになります。

事業部門での一次確認にも使い道があります。営業部門が契約書を受け取った段階で、自社基準に沿った論点を事前に洗い出せれば、法務部門に回ってきた時点での手戻りが減ります。法務担当者がゼロから全条項を読み込む時間を、本当にリスク判断が必要な箇所の検討に振り向けやすくなるはずです。

一方で、このサービスが代替するのは基準に沿った論点の洗い出しと修正案の提示であり、最終的な契約締結の可否判断は人が担う前提で設計されています。経営者や法務責任者は、AIが提示した修正案をそのまま採用するのではなく、自社のリスク許容度と照らし合わせて最終判断を下す体制を維持すべきです。プレイブック自体も一度作って終わりではなく、法改正や事業環境の変化に合わせて更新し続ける運用が欠かせません。

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不確かな点・注意

導入にかかる費用や契約期間、対応できる契約書の種類や分量については、出典の発表資料に具体的な記載がありません。プレイブックの作成に必要な過去契約書の量や質、整備にかかる期間も明らかにされていません。

AIが提示する修正案の精度や、業種・契約類型による得意不得意の差についても言及がなく、実際にどの程度まで担当者の判断を支援できるかは現時点では分かりません。アンダーソン・毛利・友常法律事務所の監修範囲や、三井住友銀行法務部門の関与の具体的な内容も明示されていないため、どの工程にどこまで反映されているかは不確かな点として留意が必要です。

出典

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